日本で長い間住まわれてきた「家の原型」とも言える平屋。核家族化も手伝い、着工数が5年前に比べて約1.5倍になるなど、平屋を選ぶ人が年々増加しています。新築住宅全体を占める割合が1割を超えた平屋は、もはや一過性のブームではありません。今回、新たなスタンダードになったと言える平屋の5つのメリットを紹介していきます。


平屋着工数/出典:国土交通省「建築着工統計調査」

検索ワード/出典:Google「トレンド」

世帯種類別構成比/出典:厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」
生活動線がとにかくシンプルな平屋。洗濯や掃除、片付けなどの際、1階と2階の上下移動が不要になることで生まれる「家事ラク」は大きな魅力のひとつです。さらに、ワンフロアで完結する暮らしの魅力は、家族と顔を合わせる機会の増加。フラットな空間が「家族とのつながり」を深めます。
すべての空間が地面に近い平屋は、窓から外の景色や緑を取り込めば自然を身近に感じられる豊かな住まいになります。近年希薄になりがちな地域とのつながりの確保も魅力のひとつ。さらに、地震や火災などの緊急時に外へ出やすいので、いざというときにも安心です。
年齢を重ねると階段の上り下りが大変になり、子どもも巣立ち、次第に2階の部屋が物置部屋のようになってしまうのは良くある話です。家のローンを35年と考えると、子どもと一緒に暮らすのは半分程度。家づくりは「今」だけでなく、20年後、30年後の自分たちのセカンドライフを考慮して進める必要があります。
1階部分に2階の重さが加わらない平屋は耐震性が高まります。安定した構造によって、柱や壁が少ない広々とした空間や大きな開口部をつくりやすいのも平屋の大きなメリットです。また小屋裏の空間を活用した勾配天井による開放感の演出や、収納やベッドスペースなど空間のプラスαも実現できます。
美観や耐久性を保つために、建物は建築した後にもメンテナンス費用がかかります。屋根や外壁の定期的な点検や修繕が必要になりますが、平屋は大掛かりな足場を組まずにメンテナンスできるため、ランニングコストの面でも優れていると言えます。