
変わるものと、変わらないもの
2025.02.16
こんにちは。|平屋|スタンドバイホーム長岡 代表の間嶋です。
先日、会社の車のワイパーが壊れました。普段あまり意識することのない部品ですが、いざ壊れると非常に困ります。特に雪の日は、あっという間にフロントガラスが真っ白になり、運転ができなくなってしまいます。
ところで、このワイパーですが、100年以上前から基本構造がほとんど変わっていないことをご存じでしょうか?
調べてみると、ワイパーを発明したのはアメリカ人女性のメアリー・アンダーソンでした。
1903年の冬、メアリーがニューヨークを訪れた際、厳しい寒さの中、路面電車の運転手がフロントガラスの雪を拭うために、何度も電車を停車させているのを見ました。その様子を気の毒に思い、「運転しながらフロントガラスを拭ける装置があれば便利なのでは?」と考えたのが、ワイパー誕生のきっかけでした。
その後、メアリーは設計者を雇い、手動で動かせるワイパーを開発し、同年1903年に特許を取得します。しかし、彼女の特許は1920年に期限切れとなり、その間にこの装置を採用したのは市電のみだったため、大きな収益にはつながりませんでした。
一方、自動車産業が発展する中、1922年にキャデラックが初めてワイパーを標準装備し、その後、自動車の必須装備として世界中に広まっていったのです。
さて、住宅においては、ワイパーのように昔から変わらないものもあれば、変化してきたものもあります。
最近では、屋根に軒のない住宅をよく見かけるようになりました。シンプルでモダンなデザインが特徴で、すっきりとした印象を与えます。また、軒をなくすことで建築コストを抑えることもできます。
しかし、このスタイルが一般的になったのは、実は2010年頃からのことです。それ以前の日本の住宅には、必ずと言っていいほど軒がありました。では、軒にはどのような役割があるのでしょうか?
<軒の主な役割>
1.雨や紫外線から外壁を守る
2.夏は直射日光を遮り、室内環境を快適にする
3.建物の耐久性を向上させる
4.外観に奥行きを持たせ、美しさを演出する
近年の外壁材は耐久性が向上し、断熱性能も高まっているため、軒がなくても問題ないとされています。
ただ、雪が積もる地域では少し話が違います。
実際に、下の写真をご覧ください。これは、長岡市陽光台にあるモデルハウスの東側の様子です。2月上旬のドカ雪で、1m以上の積雪となりました。
写真を見てわかるように、屋根の軒があることで建物の近くには雪が積もらず、外壁に直接接していません。
仮に外壁材の耐久性が向上していたとしても、雪が接しているかいないかで建物の寿命は大きく変わると考えています。
スタンドバイホームの住宅は、深い軒が特徴の一つです。
これは単なるデザインではなく、機能性まで考え抜かれた設計なのです。
是非、実際のモデルハウスをご覧になってみてください。
おわり